経理とナマモノ

皆さんこんにちは。

経理部屋の大橋です。

ここのところ、出荷量が増えたり、イベントがあったりと我らが農園は大忙しです。

経理部屋も例外ではなく、決算があったり、なんやかや、いろいろと忙しくさせてもらっています。

実は、ここだけの話ですが、前回のブログ当番を(自主的に)お休みさせていただきました。

(世間的にはサボりといいます(汗))。

というわけで、近いうちに何らかの形で埋め合わせをしたいと思っています。なにがいいかな。

 

さて、今回は丁度決算業務を行っている最中なので、少しばかり経理的な話をしたいと思います。

農業には素人の僕も、こと経理に関して言えば、まあ少しは話ができるかなと。

 

僕らは農を業として行っています。

業として行うというのは、趣味ではないということですね。

そのために経営管理という視点が必要になります。

経営管理といえば、ヒト、モノ、カネの管理です。

特にお金の管理はことのほか重要になります。

自分達が行った仕事を金銭評価して、

自分達が行っていることがキチンと利益を生み出しているかどうかを判定します。

大事な作業です。

 

ところが、

最近(というか結構前から)、経理と農業はそもそもあまり馴染まないなあと感じています。

なぜ馴染まないかといえば、それは僕らが「ナマモノ」を相手にしているからだと思い至りました。

「ナマモノ」はそれ自体が変化するし、さらにその変化自体が「自然の力」を源泉として

生じるからだと思っています。

「ナマモノ」や「自然の力」は金銭評価に馴染まない。

太陽に電気代(太陽代か?)を払う人がいないように、

支払う対象がいないから、取引の対象にならないわけですね。

金銭評価に馴染まない。

 

例えば、工業製品であれば工場を稼動させなければ製品は製造されないけれど、

「ナマモノ」の場合、放っておいても育っていきます。

なんだ当たり前じゃないかと言われてしまいそうですが、考えてみるとこれは大きな差です。

時間の経過とともに増量する在庫というのは、工業製品ではちょっと考えられません。

また、工業製品の場合、何かしらのインプットが無ければアウトプットは産出されないわけですが、

農業の場合、極端な話、太陽と土と水と空気があれば野菜は育つわけですから、

インプットである原価は「種代」くらいのものでしょう。

いや、その種だって自家採取すればコストフリーということになります。

じゃあ、太陽と土と水と空気はゼロ円評価だけど、価値がないのかといったら

当然そんなことはありません。

価値がないどころか、これらがなければ僕らは生きてすらいけないのですから、

人間にとっての価値はそれこそ無限大といってもいいでしょう。

価値がありすぎて、評価できないと言った方がいいのかな。

とすると、僕らが売っているベビーリーフ1パックの価値は一体いくらになるのか。

で、一足飛びに結論を言えば、当然「評価できない」となるのです。

こういう特殊事情があるにもかかわらず、

経営管理のために半ば無理矢理数字を当てはめて「評価」しているような

気がしてならないわけです。

 

で、結局何が言いたいのかというと、

お金はとても大事だけれど、どうやら万能ではなさそうだなということでした。

 

農園の経理マンもたまにはこんなことを考えたりします。

今日は絵がないので

僕の商売道具を紹介しましょう。かれこれ10年近い付き合いになります。

頼れる奴です。

 

dentaku101124.jpg

ではみなさんごきげんよう!

 

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