皆さんこんにちは。大橋です。
決算で大忙しの経理部屋から、素人農業者の素朴な疑問、第2回目。張り切ってまいりましょう!
今回のお題はこちら。
さて、これは一体なんでしょう?
わからないことは人に聞くのが一番。というわけで、今回も先生にご登場願いました。
ベビーリーフのチームリーダー健太郎さんです(なぜ苗字で呼ばないのか、はこちらをご覧下さい)。
大橋: 健太郎さん、畑の中にポツンとぶら下がるこの容器、これは一体何ですか?
健太郎: これは「フェロモントラップ」といいます。蛾などの虫を捕獲する道具です。
大: ああ、なるほど、虫取りですか。
健: はい。名前は大袈裟な感じがしますが、仕組みはとても簡単です。近くで見るとこんな
感じです。
健: ちょっと見えづらいですが、檻のようなものの中にフェロモン剤が仕掛けてあって
これに引き寄せられた蛾が下の穴に落ちる仕掛けになっています。
大: 確かにそれほど複雑な作りではありませんね。ゴキブリホイホイみたいなイメージでしょうか。
健: 近いかもしれません(笑)。このトラップは夜盗(ヨトウ)蛾の成虫を捕まえるためのものです。
実は、食害を起こすのは幼虫の方なんですが、オスの成虫だけをおびき寄せて捕まえるん
です。そうすることでメスが交尾をできなくなり、幼虫の発生を少なくするんです。
大: へぇそうなんですか。実際に食害を起こす幼虫ではなく、成虫を捕まえることで
元を絶つわけですね。農の知恵ですね。
ところで、畑の実情を知らない者からすると、虫の害というのはなかなか実感が湧かない
のですが、虫の影響というのは大きいのでしょうか。
健: 大きいも何も…。夜盗の幼虫に食べ尽くされてせっかくの作業がパアになるなんてことは
ざらにあります。虫には虫の言い分があるのでしょうが、虫に食べつくされた畑をみると
とても切ない気持ちになります。
大: うーん、やはり虫対策というのは超重要ということですね。
その超重要な虫害対策ですが、フェロモントラップ以外に虫対策というのはあるのでしょうか。
健: いろいろありますよ。例えば太陽熱消毒を行ったり、天敵を放したり、キク科の植物を植えたり
と防除したい虫の種類や季節などによって対策はいろいろです。まあ、自然相手なので
100%とはいきませんが…。
虫害を防ぐこと「だけ」を考えたら、おそらく一番簡単で確実なのは農薬を使ってしまうこと
だと思います。さらに言えば、農薬で防除できるのは虫だけではないんですね。
病気や雑草も農薬を使えば比較的簡単に防除できるわけです。
しかーし、農薬には非常に非常に問題が多い!
語りだすと長くなるのでここでは言いませんが、命をつなぐ食べ物を生産する者として、
農薬を使うわけにはいかないんです。
大: なるほど、一口に農薬を使わないといっても、いろいろな思いや苦労があるのですね。
健太郎さん、ありがとうございました。
農薬については本当にさまざまな問題があって、もっともっと皆さんにも紹介したいのですが、
さすがにブログで扱うには問題の幅が大きすぎますので、これに関しては公式ページの方で
随時取り扱っていきたいと考えています。ご期待ください。
さて、次回のお題は……。これいってみよう!
次回は5/29(土)です。相変わらず先だなぁ