新・農業人フェア

こんにちは。経理部屋の大橋です。

先日、妹を訪ねて高知に行ってきました。

南国特有の爽やかな空気とすばらしい海岸線、

それからとびきりうまい鰹のたたき定食を満喫してまいりました。

 

さて、今日は先週の土曜日(9月25日)に行われた

新・農業人フェアの報告です。新・農業人フェアの詳細はコチラ

 

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朝方の台風にもかかわらず、今回も大勢の方が来場していました。

超有名法人さんが出展していたためか、無料のセミナーが人気なのか、

注目度は依然として高いようです(テレビカメラも入っていました)。

モアークのブースは会場の一番奥だったのですが、

今回もほとんど時間の切れ間なくブースを訪れていただきました。

ブースを訪れていただいた方々、ありがとうございます。

全部で12組ほどの方とお話しました。

印象的だったのは、「なぜ農業を?」という質問に対して、

「人にとって食べ物を生産するということがとても重要なことで、

充実感を得られると思うから」、と答える方が非常に多かった、という点です。

以前は「農業なら仕事があると思って」という人が多かったそうですが、

大分農業に対する見方が変わってきたのですね。

優秀な人材が農業に集まってくれることを期待しています。

 

 
  

 

 

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素人農業者の素朴な疑問(6)

こんにちは。経理部屋の大橋です。

昨日、生まれて初めてハチに刺されました。

小さな小さなミツバチでした。

なにせ初めてのことなのでビビリましたが、大して腫れもせず、

取り越し苦労となりました。

(因みにうちの農園には2度刺されたら命が危ないという、あのスズメバチに2回以上

刺された剛の者が2人もいます) 

 

さて、前々回草堆肥について少し書いたのですが、

今回はその草堆肥をもう少しよく知るために、化学肥料について勉強したいと思います。

ご存知の通り、有機農業においては化学肥料を一切使用しません。

では、なぜ化学肥料を使用しないのか。

化学肥料のデメリットって何でしょう?

これまでは、「先生」にお越しいただいて説明してもらったのですが、

今回は少し趣向を変えて、モアークの出版物である「誰にでもできる有機農業」

(以下「誰でも有機」とします)を参考にしてみましょう。

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化学肥料がどういう原料から出来ていて、投入するとどういうメリットがあるのかについては

既に多くの人がいろいろな場所で述べていますので詳細は割愛します。

「誰でも有機」によると化学肥料のメリットのポイントは以下の通り。

  ・堆肥を作る時間を短縮できる

  ・堆肥場などの設備を必要としない

  ・醗酵する際に出る臭いを防げる

  ・軽い

  ・即効性がある

  ・安い

つまり、「便利」なんですね。

ところが、リターンを得るにはリスクが伴います。

化学肥料の負の部分とは一体何でしょう?

少し長くなりますが、関連部分を引用してみます。

「誰でも有機」では代表的な窒素肥料である硫安(硫酸アンモニウム)を例にとっています。

「硫安を施用すると、土壌の中では化学反応が起こります。

硫酸からアンモニアが遊離し、植物にアンモニアが利用された後、硫酸が残ります。

硫酸は土壌を酸性化させ、土壌微生物や、有機物の分解者である土壌小動物をも死滅させます

(P49)」

つまり、硫安という化学肥料を使うことで確かに作物はできるのだけれど、

土壌が酸性になるという「副作用」も同時に起こるわけですね。

「また、酸性になった土壌を中性に中和するため、強アルカリ性である石灰を使用します。

土壌を中和しないと作物が育たなくなり、作物の生育に必要な微量要素も強酸性、

強アルカリ性の土壌では作物に利用されにくい状態となります。

 土壌を整える為に無機物ばかりを施用していると土壌内の有機物を餌として分解する

土壌微生物や土壌分解者の有機的営みがなくなり、土の団粒がなく、水分や肥料分を

保持できない土となります。物質循環や生物循環のない農法では自然循環が断ち切られ、

農地の生産力を奪ってしまいます(P49-50)」

「副作用」を緩和させようとして別の施策をとると、さらに状態が悪くなっていくという

悪循環の始まりです。

 

さらに「誰でも有機」は次のように続けます。

 

「『連作障害』という現象があります。これは、毎年、同じ化学肥料を施し、

単一の作物ばかりを栽培すると、その作物が必要な肥料成分ばかりを吸収してしまい、

作物が病気を起こしてしまう障害です。

また、化学肥料である硫安は窒素成分が高い反面、『微量要素』が少なく、

『微量要素』が欠乏します。「微量要素」とは分かりやすく言えば、マグネシウム、マンガン、

亜鉛、鉄、銅などのミネラル成分です。

~中略~

農作物にとって微量要素の欠乏は、生育不良を生じさせます。つまり微量要素の欠乏により、

免疫力の無い作物が育ち、病気や虫害に弱く、農薬に頼らざるを得ない状態になります。

化学肥料のみを投入すると、連作障害→微量要素の欠乏による生育不良→病気の発生

→農薬散布という悪循環を起こします。

農薬を撒き、食物連鎖が崩れると、特定の虫害ばかりが増え、またまた別の違う農薬を散布する

という農薬が農薬を呼ぶという更なる悪循環です。(P50-51)」

生産力を奪われた土に化学肥料を使うことで無理矢理作物を育てようとすると、

農薬付けの悪循環に陥るというわけです。

 

化学肥料のデメリット(の一部)がわかりました。

 

農薬の害はわりと理解しやすいのですが、化学肥料のデメリットがわかりにくいのは、

農薬のように人体に直接影響するのではなく、長期的に見て土壌の自然循環サイクルを破壊し、

結果的に作物が育たなくなるというような間接的な話だからなのかもしれません。

 

病気や虫害といった見た目の現象にばかりとらわれていると、目には見えない、

土の中で起きているこのような悪循環に気付くことができないのだと思います。

目に見える症状を抑えようとするのではなく、結果(症状)を生み出している原因を探り、

そこを押さえる、あるいは予防する。そういう発想が有機農業には必要なのですね。

最後にもう一箇所だけ。

「畑の中は一見ただ土がたくさんあるだけの様に見えますね。しかし、土の中には無数の菌や

バクテリア、ミミズや昆虫といった多くの生物が存在しています。人間の知識では計り知れない

営みが畑の中で日々行われており、化学肥料の使用はそれらの無数の生き物の障害となる

ばかりか、自然サイクルの滅亡を結果的に生み出してしまいます(P57)」

 

自然に対する畏敬の念を忘れないようにしたいものです。

 

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昼間のパパ達

こんにちは。経理部屋の大橋です。

今日のブログは草堆肥について書こうと思っていたのですが、

突如、頭の中に忌野清志郎さんの「パパの歌」が流れまして(何故かはわかりません)、

急遽予定を変更して我らがモアークの「昼間のパパ」を紹介することにしました。

 

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まず最初は伊藤パパです。

何やら真剣な表情で画面と向き合っています。

いつも遅くまでご苦労様です。

2人のお嬢ちゃんは只今夏休み中ですね。

「昼間のパパ」の姿を写真だけでも見てもらえればと思います。

もう小学生だから字も読めるかな。もし読めたらこちらも見てみてね。

 

 

次は沓澤パパ

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こちらも何やらパソコンと格闘中です。

3歳になるKくん、先日オフィスに来た際

いすに座り「僕もここでお仕事する!」と言って

パパの真似をして、もくもくと「お仕事」してました。

かわいかったです(写真撮っておけばよかった…)。

 

 

3人目は角田パパ

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角田パパはつい先日2人目のAくんが生まれたばかり!

オクラを収穫するその手にも力が入ります。

真夏の炎天下での外作業、本当に頭が下がります。

 

そして私、大橋も2児の父でございます。

子供達の寝顔に心底癒される毎日です。

帰りが遅く、思う存分遊んであげられていないのが気がかりですが、

休日で名誉挽回を狙います。

 

以上モアークのパパ達をご紹介しました。

写真の腕が拙くて、その迫力がいまいち伝わりませんが、

実物はもっともっとかっこいいんですよ。

昼間のパパ達は世の中に有機農業を広めるため、

日夜頑張っております。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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素人農業者の素朴な疑問(5)

こんにちは。大橋です。

毎日暑い日が続いていますね。この季節は本当に外作業の人達に頭が下がります。

ご苦労様です。

 

さて、今回はモアーク農園のシンボルとも言える「堆肥場」をたずねてみました。

 

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中ではなにやら作業中です。これは一体何をしているところなのか。

 

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今回も先生にご登場願いましょう。

おなじみの健太郎さんです。

 

大橋: よろしくお願いします。

 

健太郎: よろしくお願いします。

 

大: 早速ですが、これは何をしているところですか?

 

健: これは僕らの農法の根幹をなす、「草堆肥」を作っているところです。

   僕らの農園の近くに子貝川という川が流れているのですが、その子貝川の川原に生えている

   野草を発酵させ、堆肥にします。

 

大: もう少し具体的に教えていただけますか?

 

健: 川原で刈った草をトラックで搬送してもらい、堆肥場にバンバン積上げていきます。

   そして、最初の写真のように上から水をかけながら、重機を使ってかき混ぜます

 

大: なぜ水をかけるんですか?

 

健: 水をかけることで微生物の活動を促すんです。

 

大: 微生物が活動しやすい環境を作ってあげるわけですね。

 

健: その通り。かき混ぜるのも堆肥の中に空気をいれることで、微生物が活動しやすい環境を

   作ってあげるのが目的です。

 

大: なるほど。

   素朴な疑問ですが、大きなユンボで作業をするのなら、屋外の方が作業がしやすいと思うの

   ですが、わざわざ屋内で生産するのはなぜなんですか?屋外で堆肥を作ることはできない

   のでしょうか。

 

健: いいえ、屋外でも堆肥はできます。

   ただ、屋外ですと雑草の種が風に乗って入り込んでしまうので、これをできるだけ避けたい

   んですね。あと屋外だと堆肥の表面温度が下がってしまい、屋内で作るよりも発酵に時間が

   かかってしまうんです。

 

大: なるほど、後の工程でできるだけ手間がかからないように工夫しているわけですね。

   農を業として行うための工夫といったところでしょうか。

 

健: そうですね。

   こうして水をかけてかき混ぜるというサイクルを3回ほど繰り返した後、放置します。

   すると3~4ヶ月後には暗褐色で悪臭がない完熟堆肥ができあがります。

   工程自体は非常にシンプルです。

 

大: 確かにシンプルですが、堆肥を作るのに4ヶ月もかかるのですか。大変ですね。

 

健: そうですね、でも実際僕らが大変なのは水をかけてかき混ぜる作業を行っている

   間だけです(といっても相当疲れますが…(笑))。

   後は微生物達が自分で活動することで立派な堆肥を作ってくれます。繰り返しになりますが、

   僕らがやるべきは微生物が働きやすい環境を整えてあげることなんですね。

 

大: なるほど。ここでも自然に対する畏敬の念が重要だと思い知らされます。

   健太郎さん、有難うございました。

さて、今回は草堆肥についてご案内しましたが、実はこの草堆肥、もっともっと「深い」のです。

次回以降、僕達が草堆肥にこだわる理由をもう少しご紹介したいと思います。

 

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そんなの待ってられないという方は、こちらこちら(もしくは両方)をご覧下さい。

 

ではまた次回。

ごきげんよう!

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素人農業者の素朴な疑問(番外編)

こんにちは。経理部屋の大橋です。

今日はいつもと少し趣向を変えて、少し哲学的な疑問をあげてみました。

今日のお題はこちら

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「なぜ葉っぱは緑色なのでしょう?」

 

 

受験生時代に読んだ本に次のようなことが書かれていました。

 

植物は太陽の光を浴びて光合成により成長する。

言ってみれば光は彼らのエネルギー源。

最も光を吸収する色は?といえば、ずばり「黒」

効率だけを考えたら、葉っぱは黒い方がよいはず。

だけど葉っぱは緑色だ。

 

その著者は「科学的根拠は定かでない」とした上で、

自然に生きる生物達は満足基準で生きているのではないか

ということを言っていました。作り過ぎない。奪いすぎない。

黒を選ばず、あえて緑を選んでいる。

そこに学ぶべきはないだろうかと。

  

例えば、現代の会計学では、売上高や利益といった指標で企業の業績を判断します。

いずれもゼロから始まり、大きくなればなるほど良いと思われる指標です。

これらの指標を「目的」としてしまうと、効率だけを追うことになる。

近視眼的になる。

生産者をたたいてコストを下げたり、お客様をだまして利益を上げたり、

従業員を過労死させたり…。

こうしたことは、やはり長くは続かないでしょう。

企業というのは社会的な存在だと思っています。

お客様がいて、業者の方々がいて、そこで働く人々や、その家族がいて、

近隣地域の人達がいて、そして自然がある。

売上高や利益の裏側にある価値にもう少し目を向けて、

本物の価値を世に広めたい。

農園にいるとよく感じることですが、

自然に学ぶべきは多いと思います。

 

 

 さて、次回のお題はなににしようかな?

次は7/28です!

 

 

 

 

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