沓澤です。
ここのところ暖かい日も増えてきて昼間は汗ばむくらいの日も。
そんな日は夕立が降ることもしばしば。
雨の匂い、ってありますよね。
雨が降り出した時にあたり一面に広がるあの空気。
次々と降りそそぐ雨に流されて消えてしまうあの匂い。
雨上がりに漂う匂い。
あの匂い、実は土の中の微生物が作り出す匂いなんです。
大地(geo)の匂い(smell)と名づけられたgeosmin(ゲオスミン、ジオスミン)という物質。
土壌中の細菌類が作り出す化合物です。
人はこの匂いにとても敏感です。
他の動物達はきっともっと敏感だと思いますが。
嗅覚の鈍ってしまった人間もこの匂いにはとても敏感です。
藍藻などもこの物質を作り水のカビ臭や泥臭の原因にもなります。
大地と共に生き、安全な食料と水を手にするために必要な感覚だったため敏感になったのでしょうか。
現代の日本では水は蛇口を捻れば流れますし、都市ではアスファルトとコンクリートに覆われた場所が多く、LEDの光と電子制御の工場内で土を知ることなく栽培された野菜も身近になってきました。
土や自然の循環から離れてしまうと人が本来持っていた感覚も鈍ってしまうように思います。
五感への刺激は神経、免疫、ホルモンの分泌など身体のバランスに直結します。
有機農業は安全で美味しい野菜を生産し、その野菜を食べてもらうことも大切ですが、味覚や栄養だけではなく、栽培する環境や、土、植物に触れることも大切な要素です。