小鬼田平子

あっはっぴー にゅーいやー。

新年 明けまして おめでとう ございます。

本年もどうぞ宜しくお願いします。黒川です。

1月7日は7草ですね、そう七草粥の日です。

「せり なずな 

ごぎょう はこべら

ほとけのざ

すずな すずしろ これぞ春七草」

 最近の事はすぐ忘れるのに、

中学生の頃に暗記させられたの覚えているのが不思議です。

スーパーでも七草セットなんて物が売っていますが、

所詮はただの草ですからね、すずなとすずしろ以外は、

自分で採ることも可能です。

でも、 ここで1つだけ注意しなくてはならないのは、

「ほとけのざ」は現在の「仏の座」ではなく、

「小鬼田平子(コオニダヒラコ)」だ。って事です。

 

今日は圃場脇に自生する草でも摘んで、

「有機の七草」として頂こうと思います。

 

モアーク市場で有機のすずな(カブ)すずしろ(ダイコン)が絶賛発売中です。

では、来月の5日頃までサヨウナラ。

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ジャーン!、ジャーン!「げぇっ、アブラムシ。」

 コンニチハ、「子泣き爺」または「ぬらりひょん」に似ていると

言われるゲゲゲの黒川です、ご無沙汰しております。

それにしても、今年の新語・流行語年間大賞の「ゲゲゲの~」を

日常会話や文章で用いるのは至難の業ですね。

 

 さてと、今回もね、アブラ虫について書きますよ。

もう3回もアブラ虫について書いてきましたが、これでたぶん最後ですかね。

今までに書いた事をおさらいすると、

『アブラムシはすんげー勢いでポコポコ増えて、ガツガツ食われる』です。

詳しくはカテゴリの黒川を見て下さいよ。

 

 今回の話のネタはパートさんから教えて頂いた物でして、

 2010年6月29日の朝日新聞の23面です、

「アブラムシおばちあゃん 孫守る」との記事がありました。

まー、この記事を無理やり3行に要約するってーと

『子を産み終えたアブラムシ※1は巣に侵入した天敵から子孫を守るため、

腹部から粘液を出して自らを天敵の体や口等にくっつけて動きの邪魔をし、

進入を防ぐ』になりまして、

 この文章から分かるアブラムシの凄さ・珍しさを

下に並べていきますてーとですね。

 

1)子を産み終えても生きている

 繁殖能力がなくなった虫は大概死んじゃいます。というか、

オスは生殖後、メスは産卵後に死ぬ物も多くいます。

そんな中で、まず繁殖能力がなくなった後も生きているのが凄い。

 

2)巣を形成する=社会性を持つ

 アブラムシの一部は植物の葉や芽などを奇形させて、

内部に空洞があるコブを作り、その巣の中で繁殖します。

 巣を持ち、かつ社会性を持つ虫はハチ、アリ、シロアリと虫の世界ではレア。

また社会性を持つアブラムシの中には兵隊アリならぬ

兵隊アブラムシを社会階級の中に持つ物までいるんです※2。

 

3)集団を尊重して自己犠牲をいとわない

 集団のために自分の体を犠牲にする虫もかなり珍しいです、

自分が知る限りではクモとハサミムシの一部だけかな。

 

 どうですか?ねぇ、凄いでしょう、珍しいでしょう。

アブラムシのあの小さい体にはギッチリと凄いと珍しいが

詰まっているんですよ。

  こんなにすごい彼女達と戦うから、有機農業は至難の業なんです。

 「彼を知り己を知らば百戦あやうからず」なんて孫武さんは言うけれど、

知れば知るほどに勝てる気がおきません、まーそれでも頑張ります。

 

  では、来月の5日頃までサヨウナラ。

 

※1ヨシノミヤアブラムシ:くっ付いた後は自分では離れられないそうです。

※2ハクウンボクハナフシアブラムシ:兵隊アブラムシは大きなアゴを持ち、毒を出せます。

 

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二百二十日=9・11

 コンニチハ、黒川です。皆さん今回のタイトルにもなってる

『二百二十日(にひゃくはつか)』なる物をご存知でしょうか?

立春を含めて数えての220日目=立春から219日後の日で、

今年は9/11でした。

 

 で、この日は雑節(※1)って物の1つなんですが、

なんでも昔から天候が悪くなる農家の三大厄日(※2)にも

数えられていると言う、怖ろしい日でして、台風の襲来や

強風に気を付けないといけない日だそうです。

  自分は農家7年やってて、今年初めてその存在を

知りました・・・自分の無知が一番怖い。

 

 現在でも、9月では12日が雨の特異日(※3)で、

17日・26日が台風の特異日になっているようなので、

統計を見ても言い伝えは当を得ていそうです。

 

 今回の台風9号はつくばにあるモアークにとっては厄どころか

待望の雨になりましたが、まだまだ秋の台風には油断が出来ません。

 

 写真は、朝露が光る里芋の葉です。 

雨が降ってからぐんぐん大きくなっています。

asaimo 001.jpg

  アブラ虫について書くのに少し飽きたので、

今回は暦について書きました。

次回こそはアブラ虫の話の続きを書こうかと思います。

 では11/9頃までサヨウナラ。

 

(※1)雑節(ザッセツ): 季節の移り変わり等をよりつかみ易くするために設置された暦。

 その他の一般的に雑節と呼ばれる物。

 節分、彼岸、社日(しゃにち)、八十八夜、入梅、半夏生(はんげしょう)、土用、二百十日。

 説明は省略、各自ぐぐって下さい。

 ちなみに二百十日から二百二十日の間に吹く強風を

 『野分(のわき・のわけ)』と言い、これは秋の季語になっています。

 

(※2) 八朔(はっさく)=8/1頃、二百十日=9/1頃、二百二十日=9/11頃のこと。

 こちらも気になる方は、各自ぐぐって下さい。

 ちなみに柑橘類のハッサクは8/1頃から食べられるようになるから

 名付けられたそうです。

 

 (※3)高確率でその天候になる日。

 9月では12日が雨の特異日、17日・26日が台風の特異日。

 ちなみに10/10は晴れの特異日というのはガセネタです。

 

 

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べたべた?

 コンニチハ、黒川です、随分と日が詰りましたね。

夏至と比べたら、朝も夕方も各1時間位は縮んだじゃないかと思います。

暑い日が続き実感があまり無いですが、もう秋なんですね。

 

 ここから先の文章は6/9と8/7に書いたアブラムシは

こんなにスンゲー虫なんですよ、と言う話の続きです。

先に6/9と8/7をチラ見してから、読むのがオススメです。

画面の左にあるカテゴリの黒川をクリックすると、

まとめて読めてお得ですよ。

 

 前回、前々回に書いた事をスーパー要約すると、

『アブラ虫はスゲー勢いでポコポコ増える。』です。

 

 で、今日は地球が『アブラ虫の惑星』になるのを、

防いでくれている勇者達の紹介をします。

まずはメジャー方々から、

 テントウムシ、クサカゲロウ。

皆さんご存知でしょうから解説を省いちゃいます。

 

次に、ややマイナー方々を、

 ヒラタアブ、コレマンアブラバチ、ショクガタマバエ。

前から順にアブ、ハチ、ハエです。

御三方ともバリバリの肉食系でして幼虫の主食がアブラ虫です。

 

更にマイナーな方、

 バーティシリウム・レカニ。

名前だけでコレが何であるか解かった人は相当なマニアな方です。

答えは菌です、糸状菌です。アブラ虫がコレに感染するてぇーと、

全身カビだらけになっちまう、おっかねー病気です。

 

 しかしアブラ虫もただ食われているだけじゃない、

対抗策を持っています・・・。あれ前回もこんな文章書いたような。

 

 また文章が長くなってしまいましたね、タイトル『ベタベタ』にしたのに

その話まで行かなかったのは、誠に遺憾です。

続きは次回に書こうかと思います。

  写真は、最近出来たもあーくで一番大きな三角形です。

DAKASANKAKU.jpg

 長期予報では「10月まで暑い」なんて事を言っているそうなので、

今年の残暑は長く厳しい物になりそうです。

熱中症には、まだまだ油断が出来ません。皆さんもお気を付けて下さい。

 では、また会う日までサヨウナラ。

 

 

 

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ムシムシだったのが、もうギラギラのカラカラになってしまいましたね。

 コンニチハ、野良猫にかじられて指が曲がらない黒川です。

前回6/28頃までサヨウナラと書いて次回タイトルを「むしむし」にしていたのに・・・。

梅雨はとうに明けて陽射しはギラギラで、畑はカラカラです。

 この文章は6/9に書いたアブラムシがいかに優れた能力や生態を持っているのか、

と言う話の続きです。6/9をチラ見してから、読むのがオススメです。

 

 2つの共生:アブラ虫と蟻との共生は有名ですね、

甘露の生産者とボディーガードの関係です。

アブラ虫が何かの拍子に植物の上から地面に落ちているのを蟻が発見したら、

口で咥えて根本まで運んでくれる過保護ぶりです。

 蟻に渡す甘露をどんな原理で出しているかと申しますと、

これが繁殖に関係が御座いまして。アブラ虫は沢山の子を産むため、

蛋白質の素になるアミノ酸がこれまた沢山必要になります。

 だから植物の維管束からアミノ酸を含んでいる師管液を一所懸命に吸い続けます・・・

お腹が一杯になっても根性で吸います・・・

で、限界に達したらアミノ酸以外の余分な水分と糖分をお尻から出しちゃいます、

これが甘露です。そしてまた吸い続けます。

 つまり子供を作る副産物でボディーガードを雇っていたのです、実にしたたかです。

 

 もう1つあまり知られていないのが、ブフネラという微生物との共生です。

アブラ虫の主食の師管液には、生命を維持するのに不足している必須アミノ酸がありまして。

ブフネラに、細胞を提供する換わりにこれらの栄養成分を作ってもらい補っています。

 何がすごいって、この関係すでに世代間を引き継いで1億年以上続いているそうです。

で、1億年の間にブフネラはアブラ虫の体外では生きていられない体になっているそうで、

お互いに単独では生きていけない関係になっています。まさに一心同体。

 この関係を細胞内共生と言いそうで、

動物とミトコンドリアや植物と葉緑体の関係なんかと一緒で親子の間で伝わっていきます。

 

 これだけすんごい能力を持っていたら世の中アブラ虫だらけになりそうですが、

実際はそうはなっていません。何故かと言いますと、天敵が多いのです。

しかしアブラ虫もただ食われているだけじゃない、蟻との共生以外にも色々と対抗策を持っています。

 また、文章が長くなってしまったので、続きは次回に書こうかと思います。

 

  写真はパプリカの葉の裏で見つけた赤と黄色の美しい粒々です。

何だか分かりますか?

 ヒント:アブラ虫と少し関係があります。このヒントで解かるような人はいるのでしょうか?

kamenotamago.jpg

 正解はテントウムシの卵・・・ではなく、カメムシの卵です。アブラ虫はカメムシ目に属しています。

 

 では、8/27頃までサヨウナラ。次回予告「べたべた」。  私の歴史にまた1ページ。

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